脳卒中リハビリをわかりやすく説明します
脳卒中リハビリについてできるだけわかりやすく説明していきます。
マッサージ?歩いたり筋トレする?起きる練習?ご飯食べる練習?
なんとなくイメージはあると思いますが、今回は運動麻痺のリハビリについてお話ししていきます。
運動麻痺はなぜ起こるのか
まず、脳梗塞や脳出血で運動機能が現れるのは基本的に片側といわれています。
それは、片側の脳の血管の病気によって虚血状態になったり、出血することでダメージを受けると「脳の神経」がうまく機能しなくなります。
手や足を動かす神経がダメージを受ければ、麻痺として現れ、言葉の中枢の神経がダメージを受ければ失語として症状が現れます。
まず治療としては、血管内治療や投薬による治療を行います。しかしそれらは、あくまで脳の血管や脳の細胞に対する治療です。
それだけでは、決して運動麻痺は改善に向かっていきません。
ではその麻痺に対しては、どういった治療を行うのでしょうか。
運動麻痺にはリハビリテーション
脳の神経がダメージを受けた結果、手足を動かす神経が機能しなくなり、頭の中では「動け!」と念じているのに動かないという状態になります。
手足は脳からの指令によって動くので、その指令が手足まで伝わっていない状態なわけです。
橋を渡ろうとしているのに、橋の真ん中が切れていたら渡れないですよね。そんな状態になっているのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
手足が動かない結果、動作や行為、運動ができなくなる病気です。
一番大事なのは、「自分で動かすこと」です。
いやいや動かないから困っているんだよ、と皆さんおっしゃいます。その通りです、動かないのです。
ではどうするのか。
毎回皆さんは考えながら、手を前に出して、コップを掴んで、手首を返しながら口元へ・・・といったように動作を行なっていますか?
そんなことはないと思います。
脳卒中後のリハビリテーションにおいて大事なのは、
- 運動のイメージや運動の観察をすること
- 課題に向けて状況、課題にあった運動を行うこと
- 感覚を感じ取ること
といわれています。
まず、❶は動かなくても、どんな運動をしたいのかをできるだけイメージする必要があります。
サッカー観戦や野球を観戦していると、いつの間にか自分も早いボールを投げられる、蹴れるように感じてくるといった経験はないでしょうか。脳は、観察しイメージを繰り返し行うことによって、動いていないにもかかわらず動いた状態に近い脳活動を示すといわれています。
しかし、それだけでは実際に運動したときに、足がもつれたり、ノーコンで変なとこにボールが飛んで行ったり・・・といったような経験もされていると思います。
つまり、イメージしたら野球なら野球、サッカーならサッカーの練習をする必要があります。
またそれは、壁あてをするのではなく、実際にキャッチボールをするなど、目標に適した運動を行うことが大事なのです。
そして、運動した結果、体にはあらゆる感覚が返ってきます。それを脳が受け取って、処理をすることで運動機能が改善していくといわれています。
つまり、イメージして運動を行なった結果、どんな感じがしたのかを繰り返し体験していくことが大事なのです。
歩いているだけでは、歩き方や、運動麻痺は変化していかない理由はここにあります。
今まで、皆さんは歩くという行為を歩くために行っていません。(難しいですね)
買い物に行きたいから、「歩いて」スーパーに行く
水が飲みたいから「歩いて」水をとりに行く
といったように、目的のために「歩いてきた」のではないでしょうか?
歩くことが目的ではなく、「何のために歩くという行為が必要なのか」が大事なんですね。
そしてそのためには、実際にイメージして、目標を設定してそれに向かって、歩くという手段を使うことで、感覚が入ってきて、歩く動作が上達していくと考えられます。
しかしながら、実際には動かない部分があるため動くことは難しいのです。しかしながら、療法士が運動で得られる感覚をあらかじめみなさんと練習していくことで、「こうやったらよかったんだ」「ここは使わなくていいのか!」といったように、運動に変化が現れます。
一人では決して得られない感覚もたくさんあります。それを私たちと練習していくことでリハビリテーション(再び元の状態にする)することなのです。
マッサージやストレッチは意味あるの?
このマッサージやストレッチは運動麻痺に対して意味あるのかというということですが、
