脳卒中を疑う症状とは?
これを見たらまず脳卒中を考える症状についてです。
脳卒中が起こった時にみられる代表的な症状は・・・
- 運動麻痺(片側の手足が動かない)
- 感覚障害(片側のしびれや感覚の鈍さ)
- 構音障害(言葉がでにくい、呂律が回らない)
- 高次脳機能障害(失語:言葉が出ない、失認:ものの使い方がわからない)
- その他(頭痛、意識消失、半分が見えにくいなどの視野障害、吐き気や嘔吐、制御できないめまい)
といわれています。
これらの症状が、朝方や暖かい所から寒い環境に移動した際(ヒートショック)に起こりやすいといわれています。
脳卒中は、いかに早く治療を開始するかで大きく予後(その先の重症度)に関与するといわれており、できるだけ早く医療機関にかかることが最も大事であるといわれています。
現在では、発症後に
- 血管内治療(血栓回収)…詰まった血の塊を血管カテーテルで回収することで虚血を抑える
- 血栓溶解術(tーPA)…特殊な薬剤で血栓を溶かす、発症から4時間以内であれば適応(脳卒中ガイドラインより)
治療方針は入院先の病院医師と相談して決めていくと思いますが、
とにかく早く医療機関へ駆け込むことが、もっとも大事なことです。
脳卒中の種類によって、よく見られる症状が違います!
脳卒中では、病気の種類によってあらわれやすい症状があるといわれています。
脳卒中データバンクに登録された発症一週間いないの入院患者45030名に対する解析
- 脳梗塞・・・片麻痺、構音障害、失語、意識障害
- 脳出血・・・片麻痺、構音障害、失語(少ない)、意識障害、頭痛、吐き気、嘔吐
- くも膜下出血・・・意識障害、頭痛(後頭部をバットで殴られたような鈍痛)、吐き気、嘔吐
手足の動かしにくさや喋りにくさに加えて、その他の症状も知っておくことで、「もしかしたら」に気づけるかもしれません。
脳卒中はFAST
脳卒中はとにかく早く、つまりFAST(迅速に)が合言葉になります。
- Face:顔に麻痺はないか
- Arm:腕に麻痺はないか
- Speech:口に異常はないか
- Time:いつ症状に気づいたのか
上記にも記載しましたが、脳卒中治療は「時間との勝負」になるといわれています。
明らかに異常を感じた場合、我慢せず必ず医療機関に駆けつけるようにしてください。
BE-FAST
FASTに加えて、Balance(バランス)、Eye(視覚)も同時に覚えておくことで、脳卒中患者の見逃しを14%から4.4%まで下がるといわれています。
脳梗塞や脳出血などの脳卒中には、正しい知識によって対処できる場合があります。
また、発症後の救命だけでなく、その後の健康寿命においても大きく影響してくる可能性が考えられます。
正しい知識で正しい対処を!