こんにちは。
良い方の手足のことをよく健康な側ということで「健側」といいますが、実際には麻痺のない側にもなんらかの問題があり、立てない、歩けないといったことが起こる場合があります。
つまり、麻痺のない側は正常な手足なのか、という問題があるんですね。
麻痺のない側の呼び方
麻痺のない側にも問題を持っている可能性があります。そのため、麻痺がある側を「麻痺側」、そして麻痺のない側を「非麻痺側」と表現します。
運動麻痺は、脳とは反対側に交叉して手足の筋肉に指示を出す神経の経路が損傷した結果、脳梗塞や脳出血を起こした側の脳とは反対の手足に運動麻痺が出現します。
しかし、体幹や肩関節、股関節といった身体の中心は、脳と同じ側を神経によってコントロールされているのです。
つまり、脳梗塞や脳出血が起こり運動麻痺が出現すると・・・
非麻痺側という考え方と筋力
麻痺のない側は「健側」ではなく、「非麻痺側」と表現するのが正しいのですが、
実際にどんな問題が起こっているのでしょうか。
それは、
- 足に力が入りにくい
- 手の動きがぎこちない
- 座っていられない
- 筋力が落ちている
- 体重をかけるとお尻が引けてしまう
などの問題が起こっていることが多いです。
実は非麻痺側は、約30%ほど筋力が低下しているといった報告もあるくらいです。
麻痺側に関しては、自らの意思では動きにくいので、体重をかけるということが難しかったり、踏ん張るという感覚が乏しかったりします。
それを非麻痺側で支持しながら立っている方が多いのですが、その非麻痺側が筋力低下を起こしているため何かに掴まっていないと立っていられない、杖がないと動けないといった状況になってしまうのです。
つまり、麻痺側の練習だけでは不十分で、非麻痺側に関しても筋力のトレーニングや体幹ー肩ー股関節をコントロールする練習が必要なのです。
どうやって練習するのがいいの?
一番良いのは、やはりウォーキングやスクワット、踵上げ練習といった全身の運動が良いのですが、なかなかそれだけでは非対称になった身体で動き続けても、変化が起こってきませんよね。
自分がお勧めするのは、左右への重心を移動させる練習です。
- 机や椅子にもたれかからない程度に手を触れておく
- まずは麻痺のない側へ体重をゆっくり乗せていく
- 十分に乗ったら今度は、麻痺側へゆっくりと体重を乗せていく
- この時、足の裏がグーっと圧がかかってくる感じがしたら正解です
- これをお尻が引けたり、身体が前に倒れたりしないように注意しながら行いましょう
両方の良い運動になるのでお勧めです。
実際に訪問リハビリに行った際には、しっかりとやり方を覚えていただき、その方にあった自分でできるリハビリのメニューを考案させていただきます。
一人で悩まず、ぜひご相談ください。