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脳梗塞リハビリスタジオActive豊橋の代表 戀田祐司です!

リハビリ病院を退院した後は、1時間×3回を毎日行っていたところから、集団リハビリに移行していきなかなか思うように効果が出なくて焦りを覚えられている方も少なくありません。

実際にデイサービスやデイケア、訪問リハビリを利用しながら当店の利用をされている方がほとんどです。

そこで悩みとして全員が挙げられるのが、「週に何回リハビリを受けたらいいのか」ということ。

今回はActiveでの見解をここで説明させていただきます!

「週1回のリハビリで本当に効果が出るのか?」

これはリハビリに取り組む多くの方が抱く疑問です。週5回のリハビリが理想だと聞くと、「週1回では意味がないのでは」と感じてしまうかもしれません。しかし、週1回でも正しく行えば確実に効果はあります。重要なのは、「何を」「どう行うか」といった質の高いリハビリを継続することです。

今回は、週1回のリハビリでもなぜ成果が出るのかを科学的な視点から解説し、その効果を最大化するポイントについてお伝えします。

■ リハビリの基礎:神経可塑性のメカニズム

脳の可塑性

脳は損傷を受けても、新しい神経経路を構築し、別の神経が損傷した機能を補う働きを持っています。これを「神経可塑性(Neuroplasticity)」と呼びます。

この神経可塑性を引き出すためには、「反復した刺激」や「学習プロセス」が重要です。しかし、これは「回数が多ければ良い」という話ではありません。むしろ、以下の要素が重要です。

適切な負荷と課題を提供すること

成功と失敗のバランスを取り、適切なフィードバックを受けること

• 脳に「新しい動きを学ばせる」ための集中力のある時間を確保すること

これらのポイントが押さえられれば、週1回のリハビリでも神経可塑性を引き出し、効果的な成果を出すことができます。

ただし、週1回で頑張る以上は、私たちセラピストのサポートがない日数が増えます。その中で、ご自身が必要なトレーニングに対して努力が必要不可欠になります。

■ 週1回リハビリの最大化ポイント

1. 課題設定の重要性

週1回のリハビリでは、セッションの中で学んだことを次回までの間、どのように自主トレーニングに落とし込むかが重要です。理学療法士は、次のような要素を含む課題設定を行います。

• 日常生活に直結する課題(立ち上がりや階段昇降など)

• 身体の不安定さを利用したバランス練習

• 短期目標を具体的に設定し、成功体験を積む

これにより、患者自身が「これなら自分にもできる」と感じ、前向きな姿勢で日常生活に取り組めるようになります。

2. 自主トレーニングの役割

週1回のリハビリだけでは「間」が空くため、いかに自主トレーニングを組み込むかが重要です。しかし、ただ同じ動きを繰り返すだけでは意味がありません。

セラピストの指導に基づいた正しい動きの反復

• 動作ごとに「何を感じながら行うべきか」を意識する

特に感覚障害がある場合は、視覚的なフィードバックを使うことも有効です。例えば鏡を使って動作を確認することで、自分の動きを「見て感じる」ことができ、脳内の学習が進みます。

3. 日常生活へのリハビリの応用

日常生活は、リハビリの延長線上にあります。例えば、以下のような動作を工夫することで、リハビリの効果を引き上げられます。

• 歩行時に足裏の接地感を意識して、重心移動をゆっくり確認する

• 立ち上がる際に両足に均等に体重をかけ、スムーズに動作を行う

• 「つい体を支えたくなる場面」であえてゆっくり動作を行うことで、筋肉の協調性を高める

■ 科学的根拠に基づくリハビリ効果の持続性

リハビリの頻度が少なくても、「学習した動作」を日常で反復することによって効果を持続・向上させることができます。ある研究では、反復した自主トレーニングと週1回のセッションを組み合わせることで、週5回の訓練と同等の成果が得られるケースが報告されています。

つまり、「回数が少ないから意味がない」というよりは、「その1回をどう活用するか」がポイントとなります。

ただし時間はかかってしまうので注意が必要


リハビリの頻度が週5回だと、短期間で体の動き方を覚えやすくなります。週2回の場合は、自主練習を組み合わせていくことで、効果を得られますが、時間がかかることがあります。ただし、時間をかけて行っても適切に継続すれば、機能改善は期待できます。


例えば、ピアノを週5日練習する人と、週1日しか練習しない人では、同じ曲を習得するまでに必要な期間が異なります。

週1回の人でも続けて練習をすれば、同じレベルに到達できますが、少し時間がかかるのはイメージがつきますよね。


週5回の高頻度介入では短期的に大きな改善が見られるが、週2回の介入+自主トレを継続する場合でも、6ヶ月〜1年後には同等の効果に達する場合があります (Winstein et al., 2016)

■ まとめ

週1回のリハビリは無意味ではありません。むしろ、1回1回を「正しい方法」で「集中して取り組むこと」で、神経可塑性を引き出し、回復を促すことができます。また、日常生活の中でリハビリの内容を応用することで、週1回のリハビリでも週5回に近い効果を得ることも可能です。

「週に1回だから無駄」という考えは、正確ではありません。たった1回でも意味のあるリハビリを積み重ね、目標達成に向かって一歩ずつ進んでいきましょう。

あなたの体は、努力を必ず受け止めてくれます。大切なのは、諦めずに続けることです。