脳卒中後には「手足が思うように動かせない」という運動機能の問題が出現します。

リハビリを進めていく中で、この「手足が思うように動かせない」現象をなんとかしようとしますが…

悩むセラピスト
悩むセラピスト

なぜ、手足が思うように動かないんだろう…?

と原因がわからなければ、どんなリハビリを行うことで改善に向かっていくのか?がわからなくなってしまいます。

そこで今回は、「脳卒中後の手足が動かせない原因とアプローチ」について解説していきます。

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まず、脳卒中後に起こることは…?

脳卒中では、脳の血管が詰まると「脳梗塞」、破れると「脳出血」と言われます。

CTやMRIで色が変わってる部分が脳の血管が損傷した部位となります。

症状として、

  • 手足が思うように動かせない
  • 手足がこわばったり突っ張る
  • 関節が動かせる範囲が減る、痛みが出る
  • 左右非対称に崩れた姿勢になる

運動障害においてはこのようなことが起こってきます。

それぞれ、運動麻痺、痙縮、感覚障害、姿勢制御障害といった病態となります。

  • 運動麻痺・・・運動の指令が脳から筋肉に伝わらない
  • 痙縮・・・筋肉が伸びると意志に反して筋肉が縮む
  • 感覚障害・・・手足・体幹を触っている感覚が脳に届かない、触られてもわからない
  • 姿勢制御障害・・・動く前に必要な姿勢筋の筋緊張を準備できずに、場合によっては代償的な姿勢をとってしまう

といった脳卒中に特異的な症状が出現してきます。

ここはしっかりと押さえておきましょう。

脳卒中後の運動障害の原因

今回は手足が動かせないのは、「運動麻痺」の問題だけなのか?について考えていきたいと思います。

悩むセラピスト
悩むセラピスト

手足が動かないのって運動麻痺のせいですよね?

確かにそうなんです。大脳から脊髄前角細胞に行くまでのどこかで損傷したことを皮質脊髄路の損傷、つまり運動麻痺と表現するのですが、

私たちが目に見えるのは、「脳内処理の結果」ですので、もしも

脳内で手足を動かすプログラムが作れなかったら?
動かしたいけど倒れそうで怖かったら?
そもそも手足の感覚がなくてどこを動かせば手なのかわからなかったら?

結果思うように動かせなくなってしまうわけです。

手足が動かせなくなってしまう原因とは?

ざっと手足の動かしにくさの原因についてまとめてみました。

もちろんこれより他にも、関節可動域の問題や筋肉の形態変化の問題など2次障害を含めるともっとあるかと思います。

手足の動かしにくさが生じている原因=「運動麻痺」だけではなく、多くの要素が随意運動には関わってきます。

随意運動とは?

生物の行う運動の中でも、自己の意思あるいは意図に基づく運動のことをいう。
Wikipediaより)

意思を伴って、大脳皮質の運動野から脊髄前角細胞までの皮質脊髄路によって骨格筋が収縮し、
時間的・空間的に手足の位置変化が行われること。

手足の動きの問題は1つだけとは限らない

脳卒中後の運動障害の主たる原因は「運動麻痺」となってきますが、
随意運動が行えないことと言い換えることができます。

この随意運動が思うように行えない原因には多くの問題が絡んできます。

リハビリを行う上で、こういった問題が経過とともに顕在化するため、より複雑に運動障害が起こってきます。

どんなリハビリを行うことが良いのか?

どんなリハビリを行うか?になりますが、

「何をすればリハビリを行う対象者さんの人生が変わるのか?」が重要になります。

方法論(ストレッチや歩行練習、電気刺激、ボバース、川平法などなど)たくさんありますが、
方法論ありきで進めるのではなく「対象者さんファースト」であると思います。

その中でも、やはりリハビリの効果がある程度わかっているものが好ましいと思っています。
運動障害の中でも早く動かそうとすると筋肉がこわばってしまうのであれば、

運動麻痺指標であるFugl meyer Assessmentや痙縮の評価としてMASや腱反射などのアウトカムをとり機能低下があれば、「痙縮」が運動障害の阻害をしているかもしれない?と考えたりします。

まずはガイドラインを参考に、この病態に対してはどんなリハビリが推奨されているのか?

痙縮であれば、この6つが推奨されています。

リハビリとして行えるのは③と④になりますので、今度は病態に合わせてどれくらいの症状の方にどんなリハビリをしたらどれくらいアウトカムが改善した結果、対象者さんのどんな悩みが解消するのか?を考えてリハビリプログラムを考案していくことが私たちに求められると思います。

※あくまで一例となりますので、リハビリの進め方は主治医の指示のもと担当セラピスト、対象者さんが相互協力のもと行なっていくことが好ましいと考えます。

まとめ

脳卒中後の運動障害の原因は、皮質脊髄路の損傷によって起こる運動麻痺だけではない可能性があることを解説してきました。

詳細な内容に関してはしっかりと検査・評価した上で、根拠に基づいたリハビリを提供できるように日々研鑽していきたいと思っています。

あくてぃぶリハビリジムでは、根拠に基づいたリハビリをカウンセリング、検査・評価しあなただけのリハビリプログラムをオーダーメイドで提供させていただいています。

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