
今回は、当施設でも行なっている
トレッドミルトレーニングの脳卒中の後遺症への効果について
解説していきます!
トレッドミルトレーニングが効果ある人、ない人がいる?
まず、一人一人の状態を評価した上で適応していく必要があります。
とても大事なことですが、誰に対しても効果があるリハビリというのは現状あまりありません。
推奨されているからといって闇雲に使っていいわけでもないため注意が必要です。
その中でも、
脳卒中後に一人での歩行が困難な人は、トレッドミル・トレーニング(TT:Treadmill training)によって歩行能力は改善しないかもしれない
Mehrholz J, Thomas S, Elsner B. Treadmill training and body weight support for walking after stroke. Cochrane Database of Systematic Reviews 2017, Issue 8. Art. No.: CD002840. DOI: 10.1002/14651858.CD002840.pub4
脳卒中ガイドライン2021にも、

つまり歩行がある程度自立している状態の方に適応が好ましい。
そうでなければ十分な効果は得られない可能性があります。
トレッドミルトレーニングの効果は?
良い効果として、
トレッドミルトレーニングの効果ですが、平地歩行または何もリハビリをしなかった人と比べて
・歩行速度(早く歩けるようになる)
・歩行距離(遠くまで歩けるようになる)
を向上させることがわかっています。
歩く速度が上がることは、地域での生活において重要なことだとされています。

早く歩けるかどうかで、活動範囲が大きく変わってくるんですね。
あまり効果がないのは、
バランス能力の向上にはトレッドミルトレーニングよりも、他の課題指向型トレーニングなどのリハビリの方が効果的だとされています。
そしてデメリットとして、
訓練中の転倒リスクなども考えられますが、
Mehrholz J, Thomas S, Elsner B. Treadmill training and body weight support for walking after stroke. Cochrane Database Syst Rev. 2017 Aug 17;8
トレッドミルトレーニングは、他のリハビリと比べて有害事象が多いわけではない
と言われています。
もちろん膝に痛みのある方や、普段歩いていない方は歩行後に筋肉に痛みが出る場合もあります。
しかし、他のリハビリでも屋外歩行練習でも同様の結果となりますので、特別トレッドミルトレーニングが悪いというわけでもないようです。
転倒に関してですが、
当施設ではベルトを装着し、両側に手すりを設置している、歩き始めの速度は0.2km/hと低速にすることで転倒リスクを最大限抑えた中でリハビリをしています。

まとめ
よく事務などにおいてあるルームランナー、トレッドミルですが、リハビリで活用することで脳卒中後の推進力の問題や、歩行距離の問題に効果的であるとされています。
ただ、一人で歩けることが条件となってきます。
ただ当施設でも、歩行練習の中で一人で歩けない方にも介助を行いながら使っていくこともあり、結果として歩行能力の改善(全介助から隣について歩けるようになった)が認められたこともあります。
他のリハビリと比較して、メリットが大きい場合にはもちろん提案させていただきますので、
今よりも歩行能力の改善をしていきたい、特に歩く速さや距離を伸ばしたい!という方は担当のセラピストにご相談いただき、トレッドミルトレーニングを検討してみるのも良いかと思います。
最後までありがとうございました!