みなさんこんにちは!

Activeの戀田です!

今回は上肢リハビリの一つ「両手動作訓練」について解説していきたいと思います!

上肢のリハビリを大きく分けて3つの種類に分けて効果を検証した報告がほとんどですが、私自身臨床であまり両手動作練習をしている場面を見た経験がありませんでした。

そもそも両手動作練習とはなんでしょうか?

両手動作トレーニングとは?

脳卒中による両手協調運動の障害は、患者の日常生活における自律性に大きな影響を及ぼすという事実により、両手協調運動の訓練の重要性が近年さらに強調されている。

したがって、両手協応の再獲得は、日常生活動作能力を向上させるために不可欠であり、上肢の神経リハビリテーションにおける重要な目標であるべきである。
しかしながら、両手の協調的な動作を支配する特異的なメカニズム、特に両手両足間の結合と対称性の破綻は、脳卒中リハビリテーションにおいて十分に研究されていない。

慢性脳卒中患者の上肢機能に対する両手動作訓練(BMT)は、両手の協調的な使用を通じて上肢の機能回復を促進することに焦点を当てた新たな治療戦略である。このアプローチは、日常生活動作のほとんどに両手の協調動作が必要であり、片側の脳卒中はこれらの動作に重大な障害をもたらすという理解に基づく。

Gerardin E, Bontemps D, Babuin NT, Herman B, Denis A, Bihin B, Regnier M, Leeuwerck M, Deltombe T, Riga A, Vandermeeren Y. Bimanual motor skill learning with robotics in chronic stroke: comparison between minimally impaired and moderately impaired patients, and healthy individuals. J Neuroeng Rehabil. 2022 Mar 17;19(1):28.

といった解説がされていますが、

内容としては、

反復的で集中的な練習:このトレーニングプログラムでは、随意運動制御の反復的かつ集中的な練習を行い、肢間結合効果などの概念を活用する。

多様な治療法:両手動作練習は、筋電図バイオフィードバック、VR、課題指向型トレーニングなど、多様な治療法を組み合わせることによって実施することもできる。

両側協調運動課題:訓練セッションは、障害のある腕と障害のない腕を同期または非同期に動かして行う課題で構成され、両手協調運動と麻痺腕の機能の改善を目指す。

といった構成要素でメニューを組んでいきます。

実際の内容の例としてこのような練習を行なっていきます。

しかし最近までは、

両手動作トレーニングには、両上肢の同時使用を必要とする様々なバイラテラルトレーニングテクニックが含まれる。その基礎は、神経を介した四肢間の依存関係と、両手作業中の両半球の類似した神経ネットワークの活性化にある。その可能性にもかかわらず、両手動作訓練の機能的有効性に関する一貫した知見はあまりない。

Sleimen-Malkoun, R., Temprado, JJ., Thefenne, L. et al. Bimanual training in stroke: How do coupling and symmetry-breaking matter?. BMC Neurol 11, 11 (2011). https://doi.org/10.1186/1471-2377-11-11

まとめると、脳卒中後の両手指トレーニングは上肢機能の回復を促進することが期待されるが、その有効性を確認するためには、より多くのランダム化比較試験と神経生理学的研究が必要である。両手動作訓練の成功は、両手協応の持続性と病変による両肢間の非対称性の程度を考慮し、各患者の特定のニーズと特徴に訓練内容に依存するかもしれない。

Rose DK, Winstein CJ. Bimanual training after stroke: are two hands better than one? Top Stroke Rehabil. 2004 Fall;11(4):20-30.

といった報告で効果としてはどうなのだろう?というものでした。

両手動作トレーニングは効果があるのか?

こちらの報告から紹介させていただきますが、

3つのリハビリ
「片手トレーニング:UAT」と「両手トレーニングBAT」そして「通常のトレーニング:CT」を比較して、

運動障害・機能的パフォーマンスへの効果を検証されています。

結果として、

BATはCTに比べて上肢の運動障害において有意に優れていたが、機能的パフォーマンスには有意差なし。

しかし、「両腕機能的タスクトレーニング:BFTT」は運動障害と機能的パフォーマンスの両方で有意に改善
BATとUATの間には有意差なし。

BATの効果は、軽度の障害を持つ慢性期の患者において顕著だった。

重度から中等度の方でもCTと比較して効果は認められています。

といった結果になりました。

しかし、さらに2023年の報告では、
亜急性期の脳卒中患者さんにおいて両手動作トレーニングが有効である、といった報告も出てきています。
Tenberg S, Mueller S, Vogt L, Roth C, Happ K, Scherer M, Behringer M, Niederer D. Comparative Effectiveness of Upper Limb Exercise Interventions in Individuals With Stroke: A Network Meta-Analysis. Stroke. 2023 Jul;54(7):1839-1853.

つまり両手動作トレーニングは従来の方法と比べて、上肢の運動機能、特に慢性期脳卒中患者さんにとって効果があるのではないか?と考えられます。

機能的タスクトレーニング:BFTTとはなにか?

脳卒中後のリハビリテーションにおいて使用される一種の両腕トレーニング(BAT)の形式であり、患者が両手を使用して実際の日常生活でのタスクや活動を行うトレーニング方法です。

BFTTの主な特徴は以下の通りです:

  • 実践的なタスク指向のアプローチ:BFTTは、日常生活で遭遇する具体的なタスク(例:物を持ち上げる、開ける、移動するなど)を中心に設計されます。
  • 両腕の同時使用:このトレーニングは、両腕の協調動作を強化することを目的としており、片方の腕だけでなく両腕を同時に活用することが重要です。
  • 機能的改善の促進:BFTTは、脳卒中により影響を受けた上肢の機能的な回復を目指し、日常生活の質の向上に貢献することを目標としています。

このトレーニングは、特に脳卒中患者のリハビリテーションにおいて、上肢の運動機能や日常生活でのパフォーマンスを改善するために有効な方法とされています。

臨床アイデア

通常のリハビリですと、麻痺側を集中的に使うことが多いのですが、
運動麻痺がある場合にはそれが難しくリハビリ内容に難渋することがあります。

その場合には両手動作練習が一つ有効なのではないか?と考えられます。

さらにそれを機能的に行うことが重要なので、
徐々に箱を持ち上げる動きやタオルをたたむ動き、などより日常生活動作で上肢を使っていく際の機能的な練習を行うことが好ましいのではないか、と考えています。

まとめ

両手動作練習は、脳卒中後の上肢リハビリの一つですが、
特に回復期・慢性期の脳卒中後遺症を患っている方に有効な方法である、と考えられます。

より機能的な課題で行うことで、上肢の機能改善を図れる可能性がありますが、
なんでも良い、というわけではなく内容が重要(ADL動作に基づいた機能的な練習)です。

最後まで読んでいただきありがとうございました!