今回は、「歩行が自立できない」原因について考えていきたいと思います。

歩行障がいの要因は?

ぶん回し歩行、バックニーなどが原因で歩行の安定性が乏しい、と考えてしまいがちなのですが、
それは歩行障害の原因の一要素であり、他の原因が歩行自立度に影響を及ぼしている可能性があります

歩行障がいの原因は大きく6つあります。

  1. 自立度
  2. バランス
  3. 高次脳機能
  4. 歩容
  5. 歩行速度
  6. 歩行距離

になります。

このうち、歩行パターンなどは歩容に分類されますが、
まず歩行は移動手段になってきますので、歩行を移動手段として選択していくために
改善すべきなのは、自立度となってきます。

この自立度を下げている原因はなんなのか?と考えると、

バランス高次脳機能となります。

実際に私たちはバックニーやぶん回し歩行を模倣しても転倒することはないですよね。
歩行をしていく際に一番防ぐべき現象は、「転倒」です。

転倒しないための能力が「バランス」です。

ですので、まずはバランスを見ていくことが重要になってきます。
ただ注意障害や半側空間無視などがあると、歩行は安定しているが「見守り」が必要となる場合もあります。

今回はこのバランスについて考えていきたいと思います。

歩行自立に必要なバランスを検査する方法

代表的なものとして、”Berg Balance Scale:BBS”という検査があります。

これは慣れると10-15分程度で検査が可能かつ特殊な道具がいらないという点から非常に実用が高いです。

  • 転倒リスクの予測などに用いられる
  • 運動障害が軽度な場合は天井効果を認めることに留意する
  • 静的バランスと転倒リスクを評価する14項目の客観的な尺度
  • 点数を合計し0ー56点をつける
  • Functional Reach Testの項目も入っている

といった特徴があります。

ここで重要なのが「カットオフ値」です。

BBSが何点以下だと転倒リスクが高く、何点以上なら生活に困らないのか?

バランス検査のカットオフ値

慢性期(6ヶ月以上経過)平均年齢60.7(12.5)歳の脳卒中の方では、45/56点(Doggan et al, 2011)
とされています。

また44点以下は転倒リスクが高い(Alghadir et al,.2018)ことや、47.5点以下は歩行速度が低下している(Madhavan et al,.2017)とされています。

あくまで参考基準となりますが、やはりBBSと言う総合的なバランスをチェックする検査でカットオフを下回っている場合には転倒リスクが高い可能性があります。

転倒リスクが高いということは「自立度」が低い可能性があります。

転倒してしまう可能性が高いのに、歩行自立とはなかなかリスキーですよね。

実際のリハビリは・・・?

当店での実際のリハビリを一つの例としてご紹介していきます。

実際のリハビリの例2

まずは一人で歩きたい、というホープに対して、必要なことは「転ばず歩く力をつける」ことになります。

上から優先順位が高くなっていきますが、

まずは転ばないようになる、そして安全に動き出せるようになる、そして速く歩けるようになるという順番で、計画を立ててみました。

そして目標を達成するために、効果が確認されている4つの方法がありました。

  1. 課題指向型練習
  2. バランス練習
  3. 電気療法+ミラーセラピー
  4. ホームエクササイズ

それぞれ、メリットとデメリット、そして実現可能かどうかを考えた上で、2番目のバランス練習を選択されました。

週に1回のご利用をご希望されていましたが、他4回は外来リハビリをご利用されていましたので方向性を決定し、自主トレを含めて外来リハビリと当店のリハビリを組み合わせて実現が可能かつ、49点を目指せるリハビリとして、バランス練習に取り組んでいくことになりました

立ち上がり動作練習は麻痺側を半歩下げて行うことを原則として、
加えてスタッフのハンドリングを加えて、骨盤の前傾やハムストリングスのモビライゼーションなど立ち上がりをより行いやすい、1回1回の立ち上がりの中で、上肢での代償を防ぎながら行なっていきました。

加えて通常のリハビリとして、ストレッチ、リーチ練習、ピラティスを30分間実施したところ、

1ヶ月半後にBBS50点まで上昇が見られました。

もしも、歩行練習を1ヶ月行い続けたり、痙縮があるからといってストレッチを行なっていたら…この結果があったかどうかはわかりません。

しかし、原因を明確にして適切なプログラムを行なった結果、点数はMCIDを超え、かつ介助で歩行を行なっていた状態から、遠位見守りで歩行が可能になりました。

歩けない原因とは…?まとめ

歩行障害の要因と実際の検査、リハビリ内容について一例をご紹介させていただきました。「

綺麗に歩くことはとても重要ですし、生活していく上で非常に悩むところです。

ただまずは、転倒しないことが重要であり、転倒しない体の状態を作った中であれば、歩行の様式は変化していくかと思います。

リハビリには優先順位があり、期間もあります。

当店では、皆さんの目標をいつまでに、どの程度改善が目指せるかを明確にした中で納得して機能訓練を進めることを大切にしています。

またそれが最善の方法であり、セラピストが行いたいリハビリではなく、当事者の方の目標が達成できる、なりたい姿を実現できるリハビリを行うべきだと考えています。

またそれは、セラピストの一方的なリハビリではなく、理解しご自身で決定していただくことがモチベーションや機能の改善を目指していくのに重要な要素となります。

もし今以上に目指していること、なりたい姿がある、目標がある方はご相談をいつでもお待ちしております。

最後までありがとうございました!

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