この記事では下腿三頭筋の解剖と役割について、解説していきます!
下腿三頭筋は、歩く・走る・姿勢を維持するなど、日常生活で様々な動作を行うために重要な筋肉です。特に歩行時には大きく影響する筋肉なので、今一度確認をしてみましょう!
まずは解剖学からです!
下腿三頭筋の解剖について
下腿三頭筋とは、ふくらはぎの筋肉の総称です。腓腹筋(内側頭)・腓腹筋(外側頭)・ヒラメ筋の3つの筋肉から構成されています。腓腹筋は、内側頭と外側頭の2つの頭から構成されおり、大腿骨の内側上顆・外側上顆からアキレス腱を介して踵骨隆起につくため、二関節筋であり膝関節屈曲と足関節底屈に作用します。ヒラメ筋は脛骨後面の脛骨内側縁・脛骨後面のヒラメ筋線・ヒラメ筋腱弓・腓骨頭後面からアキレス腱を介して踵骨隆起につくため、単関節筋であり足関節底屈に作用します。膝関節伸展時の足関節底屈には腓腹筋が、膝関節屈曲時の足関節底屈にはヒラメ筋が働きやすいと言われております。
また下腿三頭筋は、日常生活で歩行や階段昇降、立ち上がりなど、様々な動作をするために重要な筋肉です。
腓腹筋とヒラメ筋の役割について
腓腹筋は体幹の支持つまり上方への垂直力に、ヒラメ筋は体幹の前方推進力に主に関与すると結論づけた。
McGowan CP, Neptune RR, Kram R. Independent effects of weight and mass on plantar flexor activity during walking: implications for their contributions to body support and forward propulsion. J Appl Physiol (1985). 2008 Aug;105(2):486-94.
歩行時において、腓腹筋は重心を上方へ移動させる働きがあり、ヒラメ筋は前方へ推進させる働きがあると言われております。
様々なトレーニング時の腓腹筋とヒラメ筋の筋活動について
立位でのカーフレイズの運動では、重心を上方に移動させるため腓腹筋の筋活動が優位となります。段差をなどを使用して、より背屈位からのカーフレイズでは腓腹筋の筋活動はより高まります。
ステップ動作においては、前方推進力が必要となるためヒラメ筋の筋活動が優位となります。
上記は段差を使用して重心移動した時の筋活動です。上段下肢(図では左下肢)への重心移動にて、下段下肢(右下肢)の腓腹筋とヒラメ筋の筋活動が出現します。ヒラメ筋において、ステップ動作よりも高い筋活動が確認されます。
歩行推進力を高めようとした場合、上記のトレーニングが有用になる可能性があります。また、脳卒中による片麻痺の方において、段差上段に非麻痺側・下段に麻痺側として実施できるため、取り入れやすいトレーニングになると考えられます。
ちなみに、平地歩行での腓腹筋とヒラメ筋の筋活動については・・・
上記の図の筋活動が確認されます。
まとめ
下腿三頭筋は、日常生活で様々な動作を行うために重要な筋肉です。特に歩行時には上方への垂直力や前方推進力に大きく貢献します。上方への垂直力は腓腹筋が、前方推進力にはヒラメ筋が大きな役割を果たします。目的によって、しっかりとトレーニングを選択していけるようになれるといいですね!!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!