こんにちは!脳梗塞リハビリスタジオActiveの戀田(こいだ)です。

今日は、脳卒中後のリハビリでよくあるお悩み、『踵から歩けない理由』について掘り下げて解説します。

歩行では踵から接地することが理想的ですが、それができないと、転倒のリスクが高まる、疲れやすい、といった問題が出てきます。

しかも、この問題は単純ではなく、いろいろな原因が絡み合っています。そこで今回は、具体例を挙げながら、その原因と解決策をしっかりお伝えします!

踵から接地することの重要性は、イメージしやすいですよね。踵から着地することで、スムーズに体重を支え、効率よく次の一歩に繋げることができます。

でも、『踵から歩く』という一見単純な動きが、脳卒中後の方には非常に難しいことがあります。しかも、原因が一つではないのです。

例えばこんなケースはどうでしょう?

• 『足首が上がらない』せいで、踵ではなく爪先が最初に床についてしまう。

• 『膝が曲がりすぎて』踵をつける余裕がない。

• 『足が震えて』うまく力が入らない。

どの原因も同じ『踵から歩けない』という問題につながりますが、それぞれの病態は全く異なり、対処法も変わってきます。

ここからは、代表的な原因を具体的に見ていきましょう。

原因と解決策

1. 足首が上がらない原因と解決策

運動麻痺

脳卒中後、前脛骨筋が十分に働かず、足首を持ち上げられない状態です。

この場合、**機能的電気刺激(FES)**を用いて、筋肉を意図的に動かしながら歩行練習を行うのが効果的です。

痙縮

逆に、下腿三頭筋が過剰に緊張して足首を下に向けてしまうケースもあります。この場合は、ボトックス注射や体外衝撃波療法を併用し、筋肉の緊張を緩めることが重要です。

2. 膝が曲がりすぎる場合

大腿四頭筋の弱化

膝を伸ばす力が弱いため、結果的に踵をつける前に膝が曲がりすぎてしまいます。この場合、筋力トレーニングバランス練習で四頭筋を鍛える必要があります。

ハムストリングスの痙縮

膝が引き込まれるように曲がる場合、ハムストリングスの緊張を緩めるため、ストレッチや筋膜リリースが有効です。

3. 内反足の場合

腓骨筋の弱化

足首が内反する場合、外反筋である腓骨筋が十分に働いていないことがあります。これには、腓骨筋を活性化するための歩行練習が効果的です。

下腿三頭筋の痙縮

痙縮が強く内反を引き起こしている場合、適切な緊張緩和アプローチが必要です。

4. 感覚障害の場合

踵が床に触れている感覚がわからない場合は、感覚入力を増やすリハビリが有効です。たとえば、特定の表面での足裏刺激や、感覚を意識する練習を行います。

解決のためのアプローチ

「ここまでお話ししてきたように、踵から歩けないという一つの問題に対しても、原因は多岐にわたり、適切なアプローチが重要です。

ポイントは、次の3つです:

1. 原因を見極める

 一つの原因に囚われず、さまざまな可能性をリストアップします。

2. 即時効果を確認する

 各アプローチを試し、患者さんが即座に反応する方法を見つけます。

3. 継続して改善を目指す

 長期的に取り組むことで、根本的な問題解決を目指します。

装具を使用して一時的に踵接地ができても、装具を外したときに機能が戻らないケースも多いです。だからこそ、装具に頼り切らず、原因を特定してリハビリに取り組むことが必要なのです。」

まとめ

いかがでしたか?『踵から歩けない』という問題の原因が一つではないこと、そしてその解決のためには適切な解釈が欠かせないことをご理解いただけたでしょうか?

患者さんだけでなく、ご家族の理解も重要です。共通の知識を持つことで、リハビリがよりスムーズに進みます。

脳卒中リハビリは難しいですが、こうした知識を持つことで、正しい方向に進むことができます。

今回の内容が、少しでもリハビリのヒントになれば幸いです。引き続き、こうした情報をお届けしていきます。

また、取り上げてほしいテーマや質問があれば、コメント欄でぜひ教えてください!

次回もお楽しみに。それではまた!