よくジムや病院、クリニックに置いてあるルームランナーというと親しみがあるかもしれませんが、「トレッドミル」についてです。
脳卒中後にトレッドミルを使った経験がある方は、少ないかもしれません。
なんとなく怖い、動ける人が使うイメージ、やらせてもらえなかったなど色々な理由があり使ったことがないというご意見がみなさんから聞かれました。
使うことで得られる効果や、なぜ使うのかについて知って使わないという選択なら良いと思いますが、「なんとなく使わない」では、もしかしたら効果が期待できるのにそのチャンスを逃してしまう可能性がありますよね。
では、トレッドミルにはどんな効果があるのかについて説明していきます!
トレッドミル歩行訓練の効果
トレッドミル歩行訓練を行う方が良いかどうかのエビデンス(根拠)についてです。
トレッドミル訓練、免荷式動力型歩行補助装置は脳卒中患者の歩行を改善するので勧められる。
脳卒中ガイドライン2015 「歩行障害」より
(グレードB:行うように勧められる)
となっています。
トレッドミル歩行訓練は、脳卒中後の歩行能力を改善させてくれる可能性があります。
そして、近年(2021年)では、
トレッドミルを用いたトレーニングは、何もしない・平地歩行練習をするよりも歩行速度・距離を向上させる可能性がある
Nascimento LR, Boening A, Galli A, Polese JC, Ada L. Treadmill walking improves walking speed and distance in ambulatory people after stroke and is not inferior to overground walking: a systematic review. J Physiother. 2021 Apr;67(2):95-104.
という報告も上がってきています。
しかしながら、なかなかリハビリの中で取り入れられないのには理由があります。
その中でも多いのが、「転倒してしまうリスク」が考えられます。
トレッドミルに免荷式装置がついているものであれば何かあっても転倒してしまうことが防げるかもしれませんが、そうでない場合は
一人で歩ける人には歩行能力を向上させる効果があるかもしれないですが、一人で歩けない方には他の訓練と比べて効果があるとはいえない、という報告もあります。
トレッドミル歩行の効果
ここまでですが、
- トレッドミル歩行トレーニング脳卒中後に歩行能力を改善させるかもしれない
- しかし一人で歩けない人には効果がないかもしれない
といったことがわかってきました。
では、歩行能力の改善って一体なにを改善させるのか・・・?
についてです。
2020年の報告では、トレッドミル歩行トレーニングは推進力(前に進む力)を向上させると報告されています。
また、この推進力を向上させるためには、電気刺激と組み合わせると有効かもしれないという報告もあります。
脳卒中後には、前に進む力が低下してしまい歩行能力が低下している場合も少なくありません。
また歩行速度がどれくらいなのかによって、活動範囲が異なるという報告もあります(海外の報告なので日本人の生活様式ではまた少し違うかもしれません)
つまり歩行能力を改善させることは、脳卒中後にどれくらいの範囲動けるかに関してもとても重要なんです。
遠くまで歩く能力があれば、体の活動量も確保できるので筋力低下を防げたり、歩けることでさらに歩行能力を高めていく練習もできる可能性が高くなりますよね。
あくてぃぶでは、歩行能力の改善に向けてトレッドミルや電気刺激(IVES+)、全身振動トレーニングや部分振動刺激などで最大限の効果を目指したプログラムを提案します。
体験プログラムを用意してお待ちしています!