脳卒中や脊髄損傷後の中枢神経障害の後遺症として「痙縮」というものがあります。

動こうとすると、「自分の意思に反して」筋肉が強張ってしまう症状が代表的です。

その痙縮の改善には、中枢神経系からの入力が必要なのですが、抑制するために有効な方法として「振動刺激」が注目されています。

全身振動刺激

全身振動刺激(Whole body vibration)とは、振動を発生させるプラットホームの上に、患者自身が立位や半立位などの様々な姿勢で振動刺激を受けながら姿勢維持や運動を行うものであり、振動により筋紡錘とα運動ニューロンを刺激することで緊張性振動反射(Tonic vibration reflex:TVR)を促すものであるとされています。3)

成人の脳性麻痺の方に対する研究結果として

全身振動トレーニングまたはレジスタンストレーニングの8週間の介入が、脳性麻痺の成人の痙攣に悪影響を及ぼすことなく、筋力を高める可能性があるAhlborg L, Andersson C, Julin P. Whole-body vibration training compared with resistance training: effect on spasticity, muscle strength and motor performance in adults with cerebral palsy. J Rehabil Med. 2006 Sep;38(5):302-8. 

脳卒中片麻痺の方に対する研究結果として

WBV前後でMAS と足関節自動背屈角度、他動関節可動域、歩行能力に改善がみられた。

※MAS:筋緊張検査宮良広大, et al. 脳卒中片麻痺下肢への全身振動刺激 (Whole body vibration) による痙縮抑制効果-誘発電位 F 波を用いた検討. 理学療法学, 2015, 42.2: 90-97.

脊髄損傷の方に対する研究結果として

ヒラメ筋のH反射が抑制された。(伸張反射の一つの指標)Sayenko DG, Masani K, Alizadeh-Meghrazi M, Popovic MR, Craven BC. Acute effects of whole body vibration during passive standing on soleus H-reflex in subjects with and without spinal cord injury. Neurosci Lett. 2010 Sep 20;482(1):66-70.

いまだ、痙縮に対する効果として第一選択かどうかは、
はっきりとはしていませんが、5分間程度で筋緊張が抑制できることや、可動域の改善につながる可能性がありますので、検討しても良いのではないでしょうか。

また

全身振動トレーニングは痙縮を軽減させ歩行能力やバランス機能を向上させる

Chan KS,et al.Effects of a single session of whole body vibration on ankle plantarflexion spasticity and gait performance in patients with chronic stroke: a randomized controlled trial.Clinical Rehabilitation (Impact Factor: 2.18). 10/2012; 26(12).

慢性期の脳卒中片麻痺者30名に対して、全身振動トレーニングが慢性期(6ヶ月以上経過した脳卒中後遺症)に足関節底屈筋の痙縮や歩行能力、そしてバランスの能力に及ぼす影響を調べた研究があります。

結果として、全身振動トレーニング後に足関節底屈筋(ふくらはぎの筋肉)の筋緊張は優位に減少し、歩行能力が優位に改善したと報告されています。

全身振動トレーニングを1回の訓練の中で用いていくことで、慢性期の脳卒中片麻痺者の足が突っ張るという原因の一つであるふくらはぎの筋肉の過度な緊張(痙縮)を抑制することができる可能性があります。

痙縮によって落ちていた歩行の能力は、痙縮を抑制できることで改善する可能性が考えられます。

緩める・鍛えるの両方を期待できるマシンとなります!


当施設には、全身振動トレーニングに活用できるマシンを導入しています。

痙縮だけでなく、全身の筋力向上に利用できますので、この上で手すりをもちスクワット、片足立ちの練習を行うことで筋力向上も期待できます。

この全身振動トレーニングマシン上では通常より2倍の筋力が働くといわれています。
フジ医療器HPより)

※効果には個人差があり、効果を保証するものではありません。

部分的な筋緊張の抑制にも振動刺激が有効な可能性があります。

例えば・・・

弱い振動刺激(周波数50〜70Hz)に加えて電気刺激を使ったり、

周波数をあげて、100Hzくらいの振動刺激を脛の前の筋肉(前脛骨筋)に当てながら、ふくらはぎ(下腿三頭筋)に対して高頻度の電気刺激を与えることで、ふくらはぎの痙縮の改善を期待できる場合もあります。

手足が突っ張ってしまう、力が入ってるのかどうかわからない、筋トレをしっかりしたいといった要望にお応えできるように様々なアイデアで、プログラムを提供させていただきます!

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