バランスという便利な言葉
バランスを構成する要素について
一般的にバランスとみなさんが表現するものは、この部分になります。
とってもわかりやすく、イメージがしやすい部分になりますよね。
よくアライメント、筋力、感覚が悪いからバランスが低下している!と考えますよね。
そこは、バランスに関わる要素のうち、「バランス能力」の部分だけを示していることになります。
実際にバランスを見ていくときには、実は「課題によって影響を受ける」と言われています。
例えば、立って何もない空間に手を伸ばしていく課題と、
水の入ったコップを持ったまま手を伸ばしていく課題では使う筋力、身体の使い方が違うことって想像がつくと思います。
つまり、立って前に手を伸ばすためのバランス能力があったとしても、横に伸ばす、後ろに伸ばす課題のに必要なバランスが異なるというわけです。
それだけでなく、環境によっても影響を受けるとされています。
例えば、
家の中でお盆をもって配膳するのと、フードコートでお盆をもって机まで移動していくのとでは、同じ配膳するものでも明らかに安定性って変わってきますよね。
人が多いところ、不安定な床面などでは、配膳するもの以外への注意を向けなければなりません。
そのため、注意をむけ続けないとお盆を持ちながら、歩くということが行えない人にとって、他の人にぶつからないように、たくさんある机にぶつからないようになど、他のことに注意を向けてしまったらお盆を持ちながら歩くことに注意が向けれなくなってしまうかも知れませんよね。
バランスと一様に筋力や感覚、アライメントだけで評価して、安定している、不安定だ、という原因を特定してしまうのは非常に危険です。
生活していく中で、どんな課題があるのか、環境の変化があるのかをできる限り明確にしておくことが必要です。
また最も重要なのは、動作自体の安定性を高めること(習熟度)です。
動作だけに注意を向けているリハビリの場面でできたことも、自宅・病棟ではできないのは、もしかしたら注意能力の問題もあるかも知れませんね。
リハ室というPhaseだけを切り取って出来る、出来ないを決めてしまわないように注意しましょう。
バランスを保つための大切な要素は?
バランス能力が高いか低いか、バランスが取れるかどうかは、この空間的要素が大きく関係してきます。
立っている状態を維持するには、静的安定性限界内に重心をコントロールする必要があります。
立っている状態から姿勢を崩したときに、動的安定性限界として新しく支持面をステップして作り出すことが重要なのです。
揺れずに立った状態を維持することも重要ですが、生活の中では姿勢を崩したときにどのように対応するか!?これもとっても大事な評価になってきます。
立っている状態において最も安定している、動きやすいのは静的安定性限界の中央付近に身体重心が位置するときです。
つまり足と足の間に重心をおくように調整しておくことで、動こうと重心を移動させたり、立った状態でものを取ろうとするときに有利に働くというわけです。
バランスのまとめ
バランストレーニングを行うことが多くあると思いますし、バランス能力が高ければ高いほど課題や環境に応じて対応できるようになります。
その一方バランス能力が高くても、課題や環境に適応できなければバランスは崩れてしまうともいえます。
バランス練習、トレーニングを行うときに、何の能力を高めたいのか、逆に使いすぎている部分を抑制していきたいのかは考えていかなければ、ただ筋トレ、ただステップ、ただリーチングなんてことになってしまいます。
常に何を目標にしているのか、は明確にしていけるように、バランスにおいても構成要素をしっかりと理解しておくことは重要なことです!